
■家庭の事情はケース・バイ・ケース
「養父母に育てられ、感謝はしているが、実の父母にも会ってみたい」
「父親が他界し、相続手続きをすることになったが、三男の所在がつかめない」
「別れた妻に引き取られた息子が独立したが、連絡先を知らない」
離婚率の増加や、やむにやまれぬ家庭の事情によって、離ればなれに暮らさなければならない親子や兄弟がいます。
幼い頃、会えないことが寂しくても連絡を取る手段を見つけられなかったり、あまりにも小さかったために記憶もなく、事実を知らされずに育った人もいるでしょう。
また、我が子に会いたいと願いながらも、何らかの避けられない理由があって、それが果たせない親御さんもいます。
しかし、そんな環境でも忘れたことは一度もなかった……。
真実を知ったからには肉親に一目会いたい……。
そう思うのは人として当然のことではないでしょうか。
中には、このまま二度と肉親とは会うことなく一生を終えよう、と決意している人もいるでしょう。
「会いたい」という感情を胸に閉じ込めたままでいるか解放するかは、その人しだいですが、再会を果たすことで心のけじめをつけることができたり、新たなる一歩を踏み出せるという人がいることも、また事実です。
万一、それが思い描いていた結果とは違ったものになったとしても、自分の気持ちに正直に行動したほうが、行動しなかったときよりも後悔は遥かに少ないという場合は多いもの。
もしも、迷っているなら、一歩を踏み出してみませんか?
扉の向こうには笑顔が待っているかもしれません。
■失踪や家出とは異なる肉親捜し
幼少時に肉親と別れてしまうと、本人の記憶がなかったり、あいまいである場合が多々あります。
また、親のほうでは、日々の生活に追われ、ほっと一息ついたときには長い年月が経っており、そのときには既に子供は独立して所在がわからなくなってしまっていた……というケースもあるようです。
そんな肉親の間には、諸事情によって、やむなく生き別れとなってしまった親子や兄弟もいます。
そこには離婚や死別、経済面など、さまざまな理由があるでしょう。
しかし、一旦は離ればなれになってしまった親子や兄弟に一目会いたいと肉親捜しを行う方もいます。
離ればなれになったとき、そこに何らかの事情があったことと同じように、肉親探しの理由も多岐にわたっています。
結婚や出産を機にという人もいれば、養父母との死別をきっかけに自分のルーツを知りたくなったという人、遺産相続の手続きのためという人もいます。
肉親捜しにおいて特徴的なのが、情報元はあるにはあるけれど、複雑な事情によって、それを直接聞き出すことができないという点です。
例えば、離婚した元夫婦の間に深い亀裂が走っていて、話し合うことすら拒否されるといった場合です。
また、家庭内のプライベートな部分に当たるため、肉親捜しをおおっぴらにしたくないという人がほとんどです。
家出や失踪といったケースでは、警察に相談すれば解決の糸口が見えてくるものですが、事件性がない限り、相談に乗ってはくれても捜査はしてもらえないというのが実情です。
近年の家出や失踪の捜索願いを見てみると、届け出だけで2009年が約8万人。
実際には、これ以上の人数がいることが推測されています。
1989年~2007年にかけて合計すると、捜索願いが出されている家出・失踪者は約172万人。
このような数の多さから、最近では携帯電話などで連絡がとれる人の届け出はしないケースも増えてきているのだとか。
そして、この家出・失踪者の中には事件に巻き込まれている人も少なからずいるのです。
事件性という点以外にも、家出人や失踪者の中には、借金や家庭の不和や暴力などの諸事情から自らの意思で消息を絶ち、身を隠しているというケースもままあります。
これらのケースに対し、肉親捜しの場合では、こちらが単に相手の所在を把握していないだけで、向こうでは普通の生活を送っている場合が大半です。
それでも、肉親を必死に捜している側からすれば、事件性がないからと警察の協力を得られないのは、何ともはがゆい気持ちがすることでしょう。
ただし、です。
生き別れになった肉親を探す場合には、このような家出や失踪の捜索願いを警察に提出るすのとはなり、また違った手法が存在します。
そういった方法がマニュアル化されていることを、皆さんはご存知でしょうか。
■事例別にみる肉親捜しのパターン
ここで、肉親捜しのパターンを事例別に紹介いたします。
□事例1/30代前半の女性の父親捜し
小学1年のときに、両親が離婚し、私は母に引き取られました。
母は原因を話したがりませんが、どうやら父の浮気がきっかけだったようです。
父からの慰謝料は微々たるもので、支払われるはずの養育費は、すぐに滞りがちになり、そのうち一切振り込まれなくなったそうです。
それ以来、現在も父とは音信不通で、事実上、私とも生き別れの状態です。
母は、仕事である程度の収入があり、もう父とは関わりなくないと思ったのでしょうか。
捜し出して養育費を払わせる時間と手間が惜しかったようで、仕事に邁進し、現在は体を壊しています。
女手一つで育てられた私も3年前に結婚し、一児の母となりました。
育児している中で、ふと気になるようになったのが、既に還暦を迎えた父の存在です。
健康に暮らしているのか、今、どこでどんな生活をしているのか、せめて居場所だけでも知りたいと思うようになりました。
父のことを聞いてみたくても、現在、母は病気療養中で、心身によけいな負担はかけたくありません。
何とか母には内密に父を捜し出し、せめて一目だけでもいいので孫の顔を見せ、抱かせてあげたいのです。
が、どうやら母を説得するには月日と時間がかかりそうです。
ただ、そう考えていても、一つわからないことがあります。
こういったケースの場合、どこに相談したら良いのでしょう。
警察に行けば、捜索してもらえるのでしょうか?
できれば、警察に頼らない方法で父の居場所を突き止められる方法はないでしょうか?
□事例2/40代半ばの男性の子供捜し
学生の頃、付き合っていた彼女が妊娠しました。
年上の社会人の彼女でした。
私が学生だったこともあり、彼女は、一人で生んだ育てる、と実家に身を寄せ、そこで娘を出産しました。
私は娘を認知し、その後、成人するまで養育費を払い続けました。
しかし、娘が成人した後は、元彼女が再婚したという一報を受けてから、もともと疎遠だった向こう側とすっかり連絡が途絶えてしまいました。
娘とは小さい頃に会ったきりで、写真すら持っていない状態です。
おそらく、元彼女のほうも私を避けているのだと思います。
私にも家庭があり、息子が2人います。
生活には満足していますが、一方で私の娘はどんなふうに暮らしているのだろうかと、最近、気になって仕方ありません。
元彼女が再婚したのなら、成人した娘は既に一人立ちしている可能性が高いと思います。
何か困っていることがあるのなら、これまで愛情を注げなかった分、何か手助けしてやりたいと勝手ながら願っています。
できれば、家族にも元彼女にも知られないように娘の住所を知りたいのですが、何か良い方法はないでしょうか。
□事例3/20代後半の女性の兄捜し
18歳になったとき、父と別の女性間に兄がいることを初めて知らされました。
また、どうやら父がその兄の母親と別れたのが、私の母と再婚するためだったらしいことも何となく伝わりました。
当時は寝耳に水でしたし、若かったこともあって、平静を装っていたものの、内心では憤りがありました。
それで、その事実について深く追求せずにいたのですが……。
近々結婚することになり、多くの人に祝って頂きたくて、式にはその兄にも出席して欲しいなあと思うようになりました。
こういったきっかけでもなければ、もしかしたら今後、一生会うこともないような気がしてしまうのです。
母も理解を示してくれました、いったい兄がどんな人なのか、とにかく一度会ってみたいと思っています。
ですが、遠隔地であったことと、離婚の原因が母との関係にあったこともあっためか、兄の成人後は向こうとは一切連絡を取っておらず、父の話が本当であれば、兄とその母親の居場所を知らないとのことでした。
どうやって捜せばいいのか、どんな機関を頼ればいいのかわからず、困っています。
――このように、生き別れとなるのは、何も親子ばかりとは限りません。
生き別れた肉親を捜すケースは、子が親を捜す場合だけでなく、親が子を、兄が弟を捜す場ケースもあるのです。
■捜索願いを警察に提出する場合
肉親が、家出や失踪などをしているケースでは、捜索願いの提出を行ってください。
□「家出人」と「失踪者」
自らの意志で行方を絶った人も、自分の意思とは無関係に消息が分からなくなった人も、同じように「失踪者」と呼ばれます。
本人の意思によって、保護者などの承諾がないのに住居地を離れ、所在不明となっている未成年者などは「家出人」と呼ばれます。
□捜索願いを提出できる人物
家出人の保護者、配偶者、監護者、その他の親族など
□捜索願いの届け出先
家出人の住所を管轄している警察署
家出人の保護者の住所を管轄している警察署
家出人が失踪した場所を管轄している警察署
最寄りの交番など
□失踪者・家出人の情報を報告
家出人の写真
家出人の本籍や住居、氏名、生年月日、職業
家出の日時や動機、原因
家出人の身長体重、失踪したときの服装、所持品
家出人の所持する車の有無
印鑑など
捜索願いを提出すると、警察は案件が「特異家出人」に該当するか否かを判断します。
「特異家出人」は、事故や事件に巻き込まれた可能性のある人のことで、生命の危険も考えられるため、捜査は原則公開されます。
これに対し、事件性が低い場合は「一般家出人」に分類され、プライバシーへの配慮から捜査は非公開となりますが、データベースに登録されるだけで、特に捜査などは行われないことが多いようです。
■肉親捜しを探偵業者依頼する場合
肉親捜しを相談する場合は、警察よりも、むしろ興信所などの探偵業者に相談するケースが一般的です。
探偵業者であれば、捜索中でもプライベートがおおやけになることはありませんし、何より人捜しのノウハウや実績が豊富です。
ただし、調査費用などは探偵業者によって異なるので、事前にしっかりとした料金の確認が必要です。
また、警察の捜索でも言えることですが、探偵業者に肉親捜しを依頼する場合、情報量は多く、経過日数は少なくなるほど、ターゲットとなる人物の所在はつかみやすくなります。
所在がわからなくなってから捜索を開始する期間が短ければ短いほど、発見できる可能性は高まります。
そのため、もしも肉親捜しをしてみたいと思ったら、思ってすぐに捜索に着手するのが再会の近道となります。
また、探偵業者には、知っている情報は包み隠さずに話すことが大切です。
言いにくいことや、思い出したくもない過去もあるかもしれませんが、隠している内容の中にこそ、肉親捜しの手がかりがあるかもしれません。
捜索をスムーズに進めたいのなら、惜しみなく協力をしましょう。
また、たとえ依頼しても、すぐに肉親が見つからない場合もありますし、結果的に発見できないという可能性だってあります。
その場合の料金などについても、探偵業者と事前にしっかりと話し合い、契約を取り交わしておくことが重要になってきます。
■自分で肉親捜しを行う場合
事件性のないときには、自分で肉親捜しを行うこともできます。
これは、生き別れた肉親と、具体的に戸籍上のつながりのある場合に可能となっています。
幼い頃に両親が離婚し、父親や母親を知らない場合や、兄弟がバラバラになっってしまった場合など、飽くまで身内の所在を確かるときにのみ使える手法です。
捜す側と捜される側が親子関係である場合では、戸籍や戸籍の附票という書類を辿っていけば、捜し出す事ができるようになっています。
単純にいかないケースもありますが、多くはこの方法で見つけ出すことができます。
また、肉親捜しの方法が書かれたマニュアルも存在します。
そこには、肉親捜しについての具体的な手順やさらに詳しい内容、捜索のテクニックなどが書かれています。
本気で両親や兄弟との再会を思い描いている人、まだ見ぬ肉親と一度会ってみたいと考えている人は、目を通してみてはいかがでしょうか。
きっとあなたの役に立つ情報を得られると思います。



